あお内科・内視鏡クリニック
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コラムCOLUMN

2026.06.04(木)

「大腸がんは高齢者の病気」はもう古い? 
― いま注目される腸内細菌と大腸がんの関係

大腸がんというと、「高齢になってからかかる病気」というイメージを持つ方が多いかもしれません。

実際に大腸がんは加齢とともに増える病気ですが、近年、世界中の医療者が注目しているのが、

「若い世代の大腸がんが増えている」

という事実です。

以前は50歳未満の大腸がんは比較的まれでした。しかし近年は30代や40代で発症する

「若年発症大腸がん」が増加傾向にあり、その原因についてさまざまな研究が進められています。


腸内細菌が大腸がんに関係する?

最近の研究で注目されているのが「腸内細菌」です。

私たちの腸には100兆個ともいわれる細菌が住んでいます。

その多くは健康維持に役立っていますが、一部には細胞のDNAを傷つける

物質を作り出す細菌が存在することが分かってきました。

なかでも「コリバクチン」という毒素を作る大腸菌が注目されています。

この毒素によって傷ついたDNAには特徴的な“傷跡”が残ります。

そして実際の大腸がんを調べると、その傷跡が見つかる患者さんが少なくありません。

研究者たちは、この現象が若年発症大腸がんの増加と関係している可能性

について調査を進めています。

「大腸がんは遺伝や生活習慣だけで起こる」という従来の考え方が変わるかもしれない、

非常に興味深い研究です。


それでも今できる対策は変わりません

腸内細菌研究は今後さらに発展すると期待されています。

将来は腸内細菌を調べることで大腸がんリスクを予測したり、

腸内環境を整えることで予防したりする時代が来るかもしれません。

しかし現時点で最も確実な方法は変わりません。

血便を放置しないこと。

便潜血陽性を放置しないこと。

必要なときに大腸カメラを受けること。

大腸がんは、早期発見だけでなく、ポリープを切除することで

「予防」もできる数少ないがんです。

私は消化器外科医として多くの大腸がん患者さんを診療してきました。

その中で何度も感じたのは、

「もっと早く検査を受けていれば」

ということでした。

一方で、便潜血陽性をきっかけに検査を受け、

小さなポリープの段階で治療が完了した患者さんも数多くいらっしゃいます。

その差は、ほんの少し早く検査を受けたかどうかです。


最後に

医学は日々進歩しています。

腸内細菌、遺伝子解析、AI診断など、大腸がん診療も大きく変わろうとしています。

しかし、どれほど医療が進歩しても、

「血便を放置しないこと」

「便潜血陽性を放置しないこと」

の大切さは変わりません。

未来の医療に期待しながらも、今できる最も確実な対策は検査を受けることです。

血便や便潜血陽性を指摘された際は、あお内科・内視鏡クリニックに

ぜひ一度ご相談ください。