2026.06.03(水)
「大腸がんは高齢者の病気」はもう古い?いま医療者が注目している“大腸がんの新常識”
大腸がんというと、
「高齢になってからかかる病気」
というイメージを持つ方が多いかもしれません。
しかし近年、世界中の医療者が注目しているのは、
「若い世代の大腸がんが増えている」
という事実です。
<30代、40代でも大腸がんになる時代>
以前は50歳未満の大腸がんは比較的まれでした。
ところが近年、「若年発症大腸がん(50歳未満で発症する大腸がん)」
が世界的に増加していることが報告されています。
日本でも同様の傾向が確認されています。
そのため欧米では、大腸がん検診の開始年齢が
50歳から45歳へ引き下げられました。
<「痔だと思っていたら大腸がんだった」>
実際に若い方の大腸がんでは、
- 血便
- 便秘
- 下痢
- お腹の張り
- 貧血
といった症状がみられます。
しかし、
「若いから大丈夫」
「痔だと思った」
と受診が遅れ、進行した状態で見つかるケースも少なくありません。
<最近わかってきた驚きの研究>
近年の研究で注目されているのが「腸内細菌」です。
一部の大腸がん患者では、腸内細菌が作り出す毒素による特徴的な
遺伝子変異が見つかっています。
国際共同研究では、日本人の大腸がん患者の約半数に、
そのような変異パターンが認められたと報告されました。
研究者らは、若年発症大腸がん増加との関連についても
調査を進めています。
「食生活」や「遺伝」だけでは説明できない部分があり、
今後さらに解明が進むと期待されています。
(この内容は後日院長コラムで出す予定です)
<大腸がんは予防できる数少ないがん>
ここが意外と知られていません。
多くのがんは早期発見が中心ですが、
大腸がんは“予防できるがん”です。
なぜなら、大腸がんの多くは大腸ポリープから発生するためです。
大腸カメラでポリープを切除することで、将来の大腸がん発症リスクを
下げることができます。
これは胃カメラやCTにはない、大腸内視鏡ならではの大きな特徴です。
<便潜血陽性は「症状」ではなく「警告」です>
健康診断で便潜血陽性を指摘されても、
「一度だけだから」
「痔があるから」
と放置される方が少なくありません。
しかし、便潜血陽性は大腸から出血しているサインです。
症状がなくても、
- 大腸ポリープ
- 早期大腸がん
- 進行大腸がん
が見つかることがあります。
私自身、消化器外科医として数多くの大腸がん患者さんを診療してきましたが、
「もっと早く検査を受けていれば」
という場面を何度も経験してきました。
<血便・便潜血陽性を見逃さないために>
大腸がんは、日本人がかかるがんの中でも特に多いがんです。
そして近年は若い世代でも増加が懸念されています。
もし、
- 血便が出た
- 健診で便潜血陽性だった
- 家族に大腸がんの方がいる
- 便通が最近変わった
という場合は、一度ご相談ください。
当院では「血便・便潜血 緊急外来」を設け、必要に応じて早期の大腸カメラ検査をご案内しています。
大腸がんは、早く見つければ治る病気です。
だからこそ、「様子を見る」よりも「確認する」ことが大切だと考えています。