2026.02.13(金)
なぜ“話を聞く診療”にこだわるのか
私は、診察の中で「話を聞くこと」をとても大切にしています。
それは、単に丁寧に対応したいから、という理由だけではありません。
私はこれこそが、本当の意味での予防医学につながると、心から信じているからです。
患者さんの何気ない一言。
「最近、ちょっと疲れやすくて…」
「たいしたことないんですけど…」
「前から少し気になっていて…」
こうした言葉の中に、実はとても大切な“サイン”が隠れていることがあります。
重大な病気の入口は、たいてい静かに始まります。
派手な症状ではなく、「小さな違和感」から始まることがほとんどです。
その小さなサインを拾えるかどうか。
そこに、医師としての技量が問われると私は思っています。
私は診察のとき、いつも自分に問いかけています。
「もし自分が患者だったら、どんな医師に診てもらいたいだろうか」
鏡を見るように、自分を客観的に見るように心がけています。
不安をきちんと受け止めてくれる医師。
納得できるまで説明してくれる医師。
そんな医師でありたいと思っています。
ただ、正直に言えば――
私は、かなり“無茶なこと”を目標にしています。
「話はしっかり聞きたい。
でも、できるだけ待たせたくない。」
この両立は、本当に簡単ではありません。
診察室では、
「この患者さんに、もっと寄り添って話を聞いてあげたい」
「この症状を、何とか良くしてあげたい」
そう思いながら診療しています。
一方で、待合室にはたくさんの患者さんが待っている。
「お待たせしている…」
「でも、ここで切り上げたくない…」
毎日、その葛藤の連続です。
正直、悩まない日はありません。
それでも、ありがたいことに、当院には本当に多くの患者さんが来てくださっています。
信頼して、頼って、足を運んでくださっている。
そのお気持ちが、何よりも嬉しいのです。
だからこそ、
手を抜きたくない。
流れ作業にはしたくない。
「ただ診る」だけの医療にはしたくない。
同時に、少しでも待ち時間を減らすために、スタッフと一緒に工夫を重ねています。
予約枠の調整、スタッフによる事前問診、動線の改善、検査体制の見直し。
すべては、「安心して通えるクリニック」であり続けるためです。
「話を聞く診療」
「丁寧な診療」
「できるだけ短い待ち時間」
この三つのはざまで、私は毎日、悩み続けています。
でも、その悩みこそが、
患者さんに真剣に向き合っている証だと、今は思っています。
これからも私は、
一人ひとりの声を大切にし、
小さなサインを見逃さず、
皆さまの健康を守るために、全力で診療を続けていきます。
どうぞ、遠慮なくお話しください。
どんな小さなことでも構いません。
その一言が、あなたの未来を守るきっかけになるかもしれません。
あお内科・内視鏡クリニック
院長 青木 泰孝