あお内科・内視鏡クリニック
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2025.08.18(月)

🩺 肝機能異常 放置はダメです!〜薬と生活改善で守れる“沈黙の臓器”〜

📊 健康診断や採血で「肝機能が高いですね」と言われたことはありませんか?
肝臓は“沈黙の臓器”と呼ばれ、症状が出にくいため、そのままにしてしまう方も少なくありません。
 
❓ 肝機能って元に戻るの?
答えは 「原因によっては戻ります」。
✅ 脂肪肝・軽いアルコール性肝障害 → 食事改善・禁酒・運動で改善可
✅ 薬剤性肝障害 → 原因薬の中止で改善可
✅ B型・C型肝炎 → 抗ウイルス薬で改善可
 
⚠️ 元に戻らない場合もある
長年の炎症や線維化で肝硬変になると、肝臓の構造は元には戻りません。
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、自覚症状がないまま何年も静かに線維化が進むことがあります。
その間にも肝細胞は少しずつ破壊され、再生能力を超えると回復がほぼ不可能な状態に…。
進行すると、ある日突然
💥 大量吐血(食道・胃静脈瘤破裂)で救急搬送
💥 お腹がパンパンに膨れる腹水で日常生活が困難
💥 肝性脳症で会話がかみ合わなくなり、昏睡に陥る危険
といった命に関わる事態が起こりえます。
さらに肝硬変になると、肝がんの発症リスクは健康な人の10〜20倍に跳ね上がります。
肝がんは見つかっても切除や治療が難しい場合が多く、延命治療しか選べないケースも珍しくありません。
こうなると、治療の目的は「元に戻す」ことではなく「これ以上悪くしない」ことに変わってしまいます。
だからこそ、“まだ戻せる段階”での対応が唯一のチャンスなのです。
 
🧪 採血でここが高いと要注意!
肝機能異常は、血液検査の次の項目で見つかることが多いです。
• AST(GOT)・ALT(GPT)
→ 肝細胞のダメージを示す。特にALTは肝臓由来の異常を反映しやすく、30〜40以上が続く場合は要精査。
• γ-GTP
→ アルコールや脂肪肝、薬剤性肝障害などで上昇。50〜70以上が続く場合は注意。
• ALP
→ 胆道系のトラブル(胆石・胆管炎など)や肝がんでも上昇。
• 総ビリルビン
→ 肝臓での処理機能低下や胆道閉塞で上昇。黄疸のサイン。
📌 「軽く高いだけだから大丈夫」と思っても、長く続くことが一番危険です。
軽度上昇でも慢性肝炎や脂肪肝のことがあり、症状なく進行する場合があります。
 
💊 薬による改善の可能性
原因に応じて保険診療・自由診療ともに改善を目指せる薬があります。
• 保険診療:抗ウイルス薬、免疫抑制薬、糖尿病薬(脂肪肝炎併用)、ウルソ®、グリチルリチン製剤
• 自由診療:プラセンタ注射、高濃度ビタミンC点滴、グルタチオン点滴 など
薬+生活習慣改善の併用が効果的です。
 
🏃‍♀️ 生活習慣改善も有効
高血圧・脂質異常・糖尿病・高尿酸血症の改善は、肝機能改善にもつながります。
📉 体重5〜10%減量でALT・AST低下
🍎 血糖・脂質コントロールで線維化進行抑制
💧 尿酸値低下で肝酵素改善の報告もあり
 
✅ まとめ
肝臓は再生力がありますが、限界を超えると戻りません。
異常を指摘されたら**「まだ戻せる段階」**で行動を!
当院では検査・生活習慣指導・内服や注射による治療をご提案します。
💬 気になる方は、ぜひ早めにご相談ください。