あお内科・内視鏡クリニック
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コラムCOLUMN

2025.08.18(月)

ピロリ菌を除菌したら、もう内視鏡は受けなくてよいの?― それ、ダメです。絶対に。

「ピロリ菌の除菌をしたから、もう胃カメラは不要ですよね?」
外来でもときどき、そんな質問をいただきます。
でも、それ……
ダメです。絶対に。
 
🔎 除菌しても“ゼロ”ではない、胃がんリスク
ピロリ菌(Helicobacter pylori)は、胃がんの最大の原因です。
たしかに、除菌により胃がんの発症リスクは大きく減少します。
📊 たとえば、早期胃がん治療後の患者を対象にした
国内の有名な研究(Fukaseら, NEJM 2008)では:
• 除菌群:3年で胃がん発生率 2.9%
• 非除菌群:4.7%
➡ 約38%のリスク減少
⚠ ただしこれは、胃がん既往歴や重度萎縮性胃炎を有する高リスク群のデータ。一般的な除菌後群にそのまま当てはめることはできません。
 
 
📈 一方、国内の長期研究では:
除菌後の胃がん発症率は 年率0.2〜0.6% とされており
【Takeら, Gut 2011/Kobayashiら, JGH Open 2020】
決してゼロではありません。
また、除菌後5〜10年以内に胃がんを発症する方は1〜3%と報告されています。
 
📘 ガイドラインも「内視鏡の継続」を推奨
日本ヘリコバクター学会ガイドライン(2023年改訂)では:
除菌後も胃がんのリスクがゼロにはならないため、
年齢・萎縮の程度・家族歴などに応じて
1~2年に1回の上部内視鏡検査を継続すべきである
と、はっきり明記されています。
 
🏥 当院では、苦痛の少ない内視鏡を目指しています
「内視鏡ってつらい…」
「もう二度と受けたくない…」
そんな声をよく耳にします。
当院では、
✨ 鎮静剤を使った“寝ている間の内視鏡”
🤖 AI支援による正確な診断
により、
「これならまた受けてもいいかも」と思っていただけるよう、
安心感と信頼感のある診療環境を整えています。
 
🔁 検査は「受けて終わり」ではありません
内視鏡は、継続してこそ意味がある検査です。
当院では、検査後の結果説明や経過観察も大切にし、
「次はいつ受けるべきか?」を一緒に考えていきます。
📅 ご年齢・胃粘膜の状態・家族歴などに応じて、
最適な検査タイミングをご提案します。
 
✅ 当院のスタンス
当院では、検査だけで終わらせず、
患者さん一人ひとりに寄り添った医療を大切にしています。
一度ご相談いただいた方には、
責任あるフォローアップを前提とした診療を行っています。
💬 どうぞお気軽にご相談ください。
 
✨ まとめ
🔹 ピロリ菌を除菌しても、胃がんリスクはゼロにはなりません
🔹 除菌後の発がん率は1〜3%(5〜10年)
🔹 年1回、または2年に1回の内視鏡検査が推奨されます
🔹 当院では、苦しくない内視鏡を実践しています
 
🔔 「安心して未来を生きる」ための、定期チェックを。
 
私たちと一緒に、無理なく、続けていきましょう。